欧州議会、データ共有規則案を採択

投稿日: カテゴリー: 欧州デジタル情報

欧州議会は4月6日、デジタル分野におけるイノベーション促進に向けた「データガバナンス規則案」を、賛成501票、反対12票、棄権40票で採択した。規則案は、欧州委が2020年11月に提案したもので、個人情報保護や知的所有権の問題で十分には活用されていないデータの共有を促進することを目的としたもの。規則案は、正式に成立するには、欧州理事会の承認を得る必要がある。
規則案では、データ所有者とデータ利用者の間を仲介する事業者に「中立性義務」を課しており、これらの事業者は、提供されたデータの集積と精密化だけを行い、グーグルやフェイスブック、アマゾンのようなインターネット大手とは異なり、それ以外の経済的利益を追求することは禁じられる。また、データ共有は、医療、環境、産業あるいは行政などに向けた「欧州単一データ空間」の設置により促進される。これらの空間は、科学研究などに利用される予定。一方、行政機関が共有向けに最大限のデータを提供するよう、明確な条件も定められている。
今回の法案は、欧州委が決定した欧州データ戦略の最初の柱であり、IoT機器により生み出されたデータの用途を定めるデータ・アクトにより補完される。データ・アクトは、欧州委により去る2月に発表されたが、欧州理事会及び欧州議会での承認を必要とする。