ダルマナン内相は16日、コルシカ島を訪問した。コルシカ島の「自治」を認める考えを表明、コルシカ島議会の代表などと協議した。
コルシカ島知事暗殺事件の実行犯であるイバン・コロンナ受刑者が刑務所内でイスラム過激派の受刑者に襲撃され、意識不明の重体に陥った事件を契機に、コルシカ島では、民族主義勢力による抗議行動が連日のように続いている。暴動に発展し、これまでに治安部隊隊員が130人負傷。公共施設の破壊などの被害も出ている。政府は事態の鎮静化を図り、ダルマナン内相をコルシカ島に派遣。内相は訪問の前日から「コルシカ島の自治」に前向きの姿勢を表明しつつ、治安情勢の安定化がその前提条件になるとも言明していた。
内相は今回の訪問の機会に、襲撃事件を防げなかった責任を認めて、この事件で国の非を認めた。コルシカ島議会の執行機関のシメオニ首班(民族主義派)との会談では、仏領ポリネシア型の自治制度(防衛や司法、治安など国に属する権限を除いて広範な権限を自治政府に付与する)への移行の可能性を含めて協議が行われたという。2022年中に協議を進める日程も示した。
ダルマナン内相の言動が、マクロン大統領の許可を受けてのものであるのは間違いない。大統領選を目前に控えて、大統領候補のうち、右翼・極右系の候補らは、コルシカ島の独立派勢力におもねる態度を示したとして、マクロン大統領を強く批判した。その他の候補は自治の方針を認めているが、マクロン大統領の対応については、選挙目当てのものだとして口々に批判している。