独サイバーセキュリティ当局（BSI）は3月15日、露サイバーセキュリティ大手カスペルスキーのソフトを使用しないよう勧告した。BSIは、カスペルスキーが望むと望まないとに関わらず、サイバー攻撃に関与させられる可能性を警告している。BSIでは、ロシア情報処理企業は自らサイバー攻撃を行うか、攻撃を強いられるか、あるいは、知らないうちにサイバー攻撃の標的になるか、スパイ行為の対象となっているか、ユーザーに対する攻撃のツールとして利用される可能性があると指摘している。
BSIは、カスペルスキーの企業ユーザーだけでなく、個人ユーザーにも脆弱性が及ぶ可能性があるとしており、疑いを持つあらゆる人々に、BSIにコンタクトを取るよう呼びかけている。これに対し、カスペルスキーはロシア政府との癒着を否定している。
独政府は過去数年間に数度、ロシアのサイバースパイ行為を非難している。現時点でロシアのハッカーによるものとされる攻撃で最も知られたものは、連邦議会の情報処理システムに対するもの。この攻撃により、連邦議会は、数日間の間、オフラインとなったが、ロシアは、独の主張を否定している。
情報処理の専門家の一部は、露によるウクライナ侵攻が大規模サイバー攻撃を引き起こすと警告したが、これまでは攻撃は少数に留まっている。
この件に関しては、仏サイバーセキュリティ当局（ANSSI）も、3月2日に、同様の警告を発している。米国は2017年から既に、政府機関職員に対してカスペルスキー製品の使用を禁止している。