経済省は2月17日、政府による「生産国内還流」支援措置の成果を公表した。2020年9月の開始以来で、782件のプロジェクトが支援対象となり、合計で10万人近くの雇用が創出又は維持されたという。
政府は、新型コロナウイルス危機に伴う復興プランの一環として、一連の「生産国内還流」支援策を打ち出した。「重要部門を対象とするプロジェクト募集」(保健、電子、工業部門向け原材料などの部門が対象)に8億5000万ユーロ、保健分野対象の「キャパシティ・ビルディング」支援措置に6億7100万ユーロ、地域振興につながる工業部門のプロジェクト向け援助措置に9億5000万ユーロの予算がそれぞれ設定された。これら3つの措置の下で、これまでに782件のプロジェクトに合計16億ユーロの支援がなされ、総額で54億ユーロの投資が実現した。「10万人近くの雇用効果」について、「創出」と「維持」の内訳は発表されていないが、調査会社のトレンデオは、創出1に対して維持は4程度の割合だと推定している。
政府は、「生産国内還流」という言葉の意味について、外国からの生産還流に加えて、輸入品を代替する目的での国内生産プロジェクトを含む、広義の解釈を採用していると説明している。支援の受益者の3分の2余りは中小企業だった。政府はこれを、産業基盤の育成を目的として意図的に重点を置いたものだと説明しているが、この数字は、大型プロジェクトが少ないことも示唆している。