政府は3日、電子カルテの新制度「Mon espace sante(健康マイスペース)」を開始した。既存制度のDMPを後継する形で、普及と利用拡大を目指す。
電子カルテ制度は2004年に開始されたが、医師と患者のいずれも利用に消極的で、当初はまったく普及しなかった。手直しを経て2018年に導入されたDMPは、現在1000万人が利用しているが、人口が6800万人に上ることを考えると、普及は進んでいない。個人情報を巡る懸念も背景にある。
新制度ではこのため、発想を変えてオプトアウト方式を採用。健康保険加入者を対象に、メールでオプトアウトの権利行使を可能にするコードを提供し、希望者には6週間以内に行使を求める形になる。何もしないと自動的にアカウントが作られることになる。
新プラットフォーム(monespacesante.fr)においては、検査結果や処方箋など、医療関係の情報がすべて集められ、関係者の間で共有する機能が提供される。患者本人が、共有させる相手を承認することが条件となり、個人情報をわかりやすく管理できる形とする。患者と医師などの間で通信するメッセンジャー機能など、新たな機能も提供される。当初はインターネットサイトのみだが、近くアプリもリリースされる予定。運営は、サンテオス(ワールドライン子会社)とアトス(情報処理)の仏2社が担当する。