週休3日制を導入する企業増える

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

週休3日制を導入する企業が増える兆しを見せている。ルモンド紙が1月27日付でいくつかの事例を紹介した。
トゥール市近郊で配管工事を請け負う零細企業のルブフ・フィヨン社の場合は、2019年にオーナーとなったバリヨン社長の下で、週休3日制に移行した。それまでの週労働時間数36時間は変更せず、1日の就労時間を9時間へと引き上げることで週4日労働体制に移行した。同社は従業員数が13人の小さな会社だが、業界が求人難に直面する中で、同社の場合は、週休3日制を歓迎する従業員から口コミで評判が広がり、広告を出さなくても人材が集まる効果があるという。
ハイテク製品のオンライン販売業者のLDLC社の場合は、1年前に週休3日制を導入した。週労働時間数を32時間(法定時間数は35時間)に引き下げ、給与は据え置いたままで週休3日制に移行した。マネジメントの中にはこの導入に難色を示す向きもあったが、ドラクレルジュリ社長が熱心に説得して実現した。蓋を開けてみると、従業員の生産性は向上し、会社の評判も向上した。最近のグラフィックデザイナー採用時には、従来なら5人程度の応募があるところが、200人の応募があったといい、社長は、「グーグルにでもなった気分」だと話している。
週休3日制の導入には、従業員がゆっくり休めることで勤労意欲を高めるという効果があるという。週末の2日間だけだと、家族関係の義務的な雑務などに追われて自分の時間を持てないが、あと1日間休みがあると余裕が生まれ、自分の時間を自分で管理しているという実感を持てるようになる。他方、労働日数が週4日しかないということで、仕事を効率的に進めようとする意欲が生まれ、これが生産性の向上に貢献する。LDLCの場合は、労働時間の短縮に伴い、追加の人員確保が必要になり、コストが一段と増すというのが導入反対の理由の一つだったが、生産性の向上効果でこれは杞憂に終わったという。1日分の休みの業務の代理を確保するため、従業員を2人ペアにして代理をしあう体制を導入したが、これも協力体制の強化をもたらしているという。
規模が小さい企業では週休3日制導入への障害も多いが、5700社が加入する若年経営者団体では、加入企業の46%が試験導入に賛成すると回答しており、今後採用が広がる可能性もある。