企業設立件数、2021年に17.4%増

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INSEE統計によると、12月の企業設立件数は8万1725件となり、前月比で0.8%増加した。前月には3.6%の減少を記録していたが、12月には再び増加に転じた。2021年通年でみると、企業設立件数は99万5868件となり、前年比で17.4%の明確な増加を記録した。企業設立件数は、2017年以来で毎年増加を続けており、前年に続いて2021年にも新記録を更新した。
企業設立件数の増加が続く背景には、個人による簡易登録事業者制度(ミクロアントルプルヌール)を利用した起業の増加がある。同制度の前身は2009年に導入されたが、その後も制度の見直しを経て、利用の敷居が一段と低くなり、利用が一段と増えた。2021年には、64万1543件が同制度による企業設立(前年比17%増)となっており、全体の3分の2近くを簡易登録事業者が占めている。簡易登録事業者が増える傍らで、仲介型のデジタルプラットフォームが勢力を伸ばしており、簡易登録制度がこうしたプラットフォームによる雇用隠しに用いられ、就労形態の不安定化を招く要因になっているという懸念もある。新型コロナウイルス危機においては、危機の中で一時帰休制度の適用を受けた人の中から、起業を目指す人が多く見られたという事情があり、危機は起業を促進したともいえるが、雇用が失われ、不安定な就労者が増えたという結果を招いたとも考えられる。