補足健保を公的健康保険と統合する計画について、政府諮問委のHCAAM(健保の将来に関する高等評議会)は近く、政府に報告書を提出する。その内容が9日までに報じられた。
補足健保は任意加入で、加入が義務の健康保険の2階建て部分として、健康保険がカバーしない自己負担分などを払い戻す役割を担っている。民間の保険会社や共済保険組織などが補足健保の契約を提供している。最近では、健保による払い戻しの範囲を拡大し、平等性を高め、保険加入者の負担を軽減するべきだとする意見が政府部内からも浮上しており、ベラン保健相は去る7月に、HCAAMに対して、その可能性も含めて健保制度改革の影響等を検討するよう要請していた。
HCAAMは、現行の2階建て制度について、複雑過ぎ、不平等であると指摘。費用が高い割には、基本的な医療への安価なアクセスを保障する役割を果たせていないと問題視した。加入促進の努力もあり、今では96%が補足健保の適用を受けてはいるが、高齢者の場合は保険料が割高な非団体保険に加入することが多く、費用負担の面で不平等は大きい。
HCAAMの試算によると、補足健保による保障を健保本体に移転した場合、188億ユーロの追加費用が健保に発生し、また。補足健保に係り国が得ていた税収35億ユーロ相当が得られなくなる。その財源を確保するには、CSG(幅広く収入に課税される目的税)を引き上げるなどする必要があるが、保険者加入者にとっては、補足健保保険料の納付が必要なくなることで相殺される。その一方で、54億ユーロに上る管理費が節約でき、これは国民に還元できる。全体として、年金受給者では年間の節減額が170ユーロに上り、特に恩恵が大きいという。