ルノー、Geelyと韓国で合弁か

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

ロイター通信によると、ルノーと中国の自動車大手Geely Holding(浙江吉利控股集団)と韓国でハイブリッド車の合弁事業を開始することを計画しており、近々発表する見通しだという。韓国で生産したハイブリッド車を、米韓FTAを利用して無関税で米国に輸出する可能性も検討している。この件に近い筋の3人から得た情報だという。合弁をめぐる交渉は今年の初めに開始したといい、これには中国での提携も含まれている。
両社はプラグイン・ハイブリッド車を中心とする新ブランドを共同で創設・運営する見通しで、ジーリーが傘下のボルボカーズと共同開発した「コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)」プラットフォームを使用する。ジーリーはサプライチェーンや中国の製造拠点も提供し、ルノーは車両の設計と、新ブランドの販売・マーケティングを担当する。
ジーリーは生産の一部を韓国・釜山にあるルノーサムスン自動車の工場で行うことを望んでおり、これにより間接的にではあるが、米国市場に参入することを期待している。CMAはリンク・アンド・コー(ジーリーとスウェーデンのボルボの合弁会社)が中国で生産している高級車「Lynk & Co 01」(「Volvo XC40」の姉妹車)にも使用されており、これが釜山で生産される最初のモデルとなる可能性もあるという。「Lynk & Co 01」にはガソリン車、ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車の3バージョンがあり、情報源の一つは、釜山で生産されるのはガソリン車とハイブリッド車だとしている。
ルノーにとっては、リンク・アンド・コーの高級車モデルのルノーサムスン自動車バージョンなどを釜山で生産することで、韓国事業を立て直し、アジアでのプレゼンスを高めるという利点に加えて、苦戦している中国での再起を図る狙いもある。
ルノーサムスン自動車はルノーが資本の80%を保有するメーカーだが、近年は業績が悪化し、2020年の販売台数は輸出も含めて11万6000台と2017年の半分に低迷した。今年も11月までで12万台にとどまっている。