海外県のクロルデコン被害、政府が労災認定決める

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政府は、クロルデコンへの暴露が原因で前立腺がんを併発した患者について、労災認定の対象とすることを決め、22日付の官報に関連政令を公示した。
クロルデコンは殺虫剤として用いられていたが、健康被害のリスクを考慮して1990年には本土での使用が禁止された。しかし、アンティル諸島の海外県(グアドループ及びマルチニーク)では1993年までバナナ園での使用が継続された。汚染は散布区間を超えて広がっており、極めて大きな規模の健康被害が報告されている。マルチニークだけでも、人口10万人に対して227人の新規患者が毎年認定されている。この問題は以前から、両海外県における中央政府への不信をかきたてており、両海外県におけるワクチン接種拒否の動きと、最近の暴動の発生にも影響を及ぼしていると考えられている。政府は労災認定を決めることで、事態の鎮静化を狙っている。
労災申請をするには、2022年末日までに発行される診断書が必要で、通常の労災認定と同様に、40年以内に最小でも10年間にわたり暴露があったことが条件となる。審査期間は通常の半分の4ヵ月に迅速化される。認定を受けた人は、健康障害の度合いにより、年額で932-1万8640ユーロの年金が補償基金より支給される。