左翼急進党所属のクリスティアーヌ・トビラ元法相は17日に発表した動画の中で、大統領選に出馬する可能性を表明した。左派合同の候補者擁立に向けて必要であるなら自らが出馬することもありうるとした。1月半ばに改めて意思表明を行うと予告した。
大統領選における左派候補はいずれも支持が伸び悩んでいる。最も高い左翼政党「不服従のフランス(LFI)」のメランション候補でも10%程度に過ぎず、環境政党EELVのジャド候補がその後を追い、社会党のイダルゴ候補は6%程度とさらに離されている。イダルゴ候補は最近になり、公選により統一候補を選出することを提案したが、メランション候補とジャド候補はいずれもこれを拒否している。そうした中でトビラ元法相が新たに出馬の可能性を示唆した。
トビラ元法相は69才。黒人女性で、過去にも大統領選に出馬した経験がある。同性婚解禁法の可決に貢献したことでも知られ、左派陣営の中ではある種のオーラを持つ人物でもある。ただ、ここで間に割って入っても、メランション候補とジャド候補を含めた左派結集を実現できる腕力があるとは思えない。数字の上では、全候補の支持率を合計すれば、マクロン大統領の25%程度にも届くが、ジャド候補はともかく、政策上の開きも大きいメランション候補の合流は考えにくい。他人を担いで勝ったとしても利益がないと考える候補者も多いという事情もある。