共和党の公認大統領候補選び:シオティ、ペクレスの両候補が決選投票に進出

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

保守野党の共和党は2日、党の公認大統領候補を選ぶ党員投票の結果を発表した。党内右派に属するエリック・シオティ下院議員が25.59%の得票率でトップとなり、得票率25%で第2位のバレリー・ペクレス氏(イルドフランス地域圏議長)との間で決選投票が行われることになった。敗退した3人の候補はそれぞれ、決選投票でペクレス候補を支持する旨を表明した。
共和党は全党員を有権者としてオンライン投票を行った。有権者の80.89%に当たる11万3038人が投票した。第3位は欧州委委員などを歴任したバルニエ氏で23.93%、第4位はオードフランス地域圏議長を務めるベルトラン氏で22.36%、最下位が病院医師でもあるジュバン氏で3.13%だった。
全国民を対象とした世論調査で最も支持率が高いのはベルトラン氏だったが、第4位というさえない結果になった。ベルトラン氏はかねてより共和党を離党しており、投票に参加するため戻ってきたという経緯がある。ベルトラン氏としては、共和党の支持を得ない限りは大統領選で勝利は望めないこともあり、あえて出戻りを決めたが、党員の不信感を払しょくできなかった。党内でも最右翼に位置するシオティ氏が僅差とはいえトップになったのは意外な結果で、共和党内部で著しく右寄りの層が力を伸ばしていることをうかがわせた。シオティ氏は、「大統領選の決選投票に右翼の論客であるエリック・ゼムール氏が進出したら、ゼムール氏に投票する」と言明するなど、共和党の有力者として数少ないゼムール支持派でもある。マクロン大統領への対決姿勢も鮮明に打ち出している。ペクレス氏が他の候補を抑えて2位になったのも意外な結果で、決選投票では他の候補の支持を取り付けたこともあり、当選に向けて有利な位置につけている。ペクレス氏もベルトラン氏と同じ「出戻り派」ではあるが、治安対策と労働の価値に軸足を置いた右寄りの主張を掲げて、他の候補を抑えて決選投票に駒を進めることに成功した。
決選投票は3日と4日の両日に行われ、4日午後に結果が発表される。