オレンジ、Vooを買収へ

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仏通信オレンジのベルギー子会社(オレンジが株式の77%を保有)は11月23日、ベルギーCATV事業者のVooの株式の75%買収を巡って、同社の親会社Nethysと独占交渉に入ったと発表した。交渉は、Vooの評価額が18億ユーロという見積もりの下で進められる見通し。ベルギーは、オレンジが進出先の国々で固定電話ネットワークを持っていない稀の国の一つ。オレンジのベルギー子会社は、他の事業者のネットワークを賃借することはできるが、基本的には携帯事業者である。同社の携帯加入者数は270万人に達しているのに対し、光ファイバー加入者回線加入者数は38万2000人に留まっている。
オレンジは、以前からVoo買収に関心を寄せてきたが、Vooの株主の一部がワロン地域の自治体連合であったことにより交渉は難航した。また、ベルギー同業のテレネットやいくつかの投資ファンドも買収に興味を示したことから、買収には到らず、2019年には米投資ファンドのプロビデンスにより買収される運びとなった。しかし、プロビデンスによる買収条件に問題があったことから、司法当局により買収は破棄され、オレンジにようやくチャンスが巡ってくる形となった。