パリ市は25日、電動キックスケーターのシェアリングサービスについて、原則として市内全域で最高速度を時速10kmに制限する方針を固めた。12月より施行される。
パリ市から免許を得て事業を展開している3社(Dott、Lime、Tier)は、11月中旬より、市内の662ヵ所の指定地区について、最高時速を10kmに制限する出力抑制措置を導入したばかりだった。位置情報を利用して、歩行者の多い地区など対象地区に入ると出力が自動的に抑制する仕組みが導入されていた。パリ市は結局、この措置では不十分だと判断し、一部の幹線道路(時速20kmまでの走行を許可)を除く市内全域で、最高速度を時速10kmに制限する方針を固めた。
パリ市内では、今年に入り電動キックスケーターが絡んだ交通事故が298件発生。2人が死亡し、329人が負傷している。6月末には、歩行者の女性(32才)が歩道で2人乗りの電動キックスケーターにはねられて死亡する事故が発生していた。
パリ市はこれに加えて、スクーター・オートバイのシェアリングサービスの規制強化にも乗り出すことを決めた。12月13日に入札を開始し、2-3社にのみ免許を与えて、業者の数を減らすことにした。現在、このサービスの事業者数は5を数え、合計で4500台が運用されているが、新たに6社が参入を計画しており、混乱が増す恐れがあった。