労働省はこのほど、就職差別の現状を把握するために行った覆面調査の結果を発表した。この調査は、2019年12月から2021年4月にかけて、実際の求人広告に架空の応募をする形で行われた。学歴・職歴などが同等だが、名前と性別だけが異なる履歴書を用意して応募し、企業側の対応を把握した。1件につき、フランス人風の名前と北アフリカ系の名前の履歴書を男女2通ずつ、合計4人分で応募。全体で9600人の架空の応募を行った。その結果、会社側が面接を提案してきた割合は、名前が北アフリカ系よりもフランス人風の人の方が1.5倍も高く、対応において差別が残存していることが改めて確認された。ただし、男女での対応の差は見受けられなかった。
業種による対応の違いも目立ち、北アフリカ系への差別的対応は、営業担当、調理、事務職の求人で特に多かった。半面、求人難の職種と有資格労働力においては、差別的な対応がより小さかった。