住宅ローンの新規与信、減速が始まる

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

3日発表の中銀統計によると、住宅ローンの新規与信額は9月に221億ユーロとなり、融資残高の上昇率は6.6%を記録した。前月の実績は、237億ユーロ・6.7%となっており、わずかながら減速する傾向を示している。半面、新規与信の平均金利は1.13%で、過去最低記録の1.12%とほぼ変わらない水準に張り付いている。
最近に、当局機関のHCSFは、住宅ローンの融資規制の違反行為に罰則を適用することで、その厳格な順守を求めることを決定。現行の融資規制は、原則として、返済額の所得に占める割合の上限を35%とし、償還期限の上限を25年とするというものだが、その内容は改めず、来る1月1日より、違反行為に罰則を適用することを決めた。その影響で、銀行が早くも与信にブレーキをかけている可能性があり、現に、中銀の速報値によると、10月の新規与信額は197億ユーロにまで減少した。ただし、新規与信額はまだ、2021年初頭を上回る水準で推移している。
住宅ローンの減速はフランスに限らず、ドイツやスペインなどユーロ圏の他国においてもうかがわれる傾向であるという。半面、法人向け融資と消費ローンはむしろ拡大局面にあることを欧州中銀(ECB)は指摘している。