マクロン大統領の支出増政策、右派勢力から批判の声

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

マクロン大統領は20日、「アルキ」と呼ばれるアルジェリア系住民に対する補償に応じる姿勢を明らかにした。アルキは、アルジェリア戦争時にフランス側に立って戦ったアルジェリア人義勇兵で、アルジェリア独立後にフランスに逃れた者もいるが、本国に取り残されて虐殺の犠牲者となった者も多い。長らくフランスにより忘れ去られた存在となり、フランスとアルジェリアの双方から白眼視されることも多かった。マクロン大統領はアルキたちに対してフランスを代表して謝罪の念を表明し、補償法案を提出し、補償案件を審査する委員会を設立すると予告した。
マクロン大統領はこのところ、支出増に直結する施策を相次いで発表しており、選挙目当てのばらまきであると批判する声が、特に右派陣営の候補者から上がっている。オードフランス地域圏のベルトラン議長は、「マクロン大統領の再選には費用を惜しまない」政策が始まった、と述べて、大統領を批判した。大統領は最近では、マルセイユ振興策、警察支援策(追加で5億ユーロ)、「エネルギー小切手」一律100ユーロ増額(6億ユーロ)、公立病院勤務の助産師の月額給与100ユーロ引き上げ(1月から)などを発表。若年失業者の収入補助の新制度も近く発表される予定となっている。マクロン大統領派は、右派勢力の批判に対して、国民のための施策を否定するのか、と応酬しているが、2022年予算法案の編成において、現実的で信頼性の高い財政運営の方針を示すことを迫られているのは確かである。