今年の小麦は不作に:軟質小麦は平年未満に

農業分野のコンサルティング会社Agritelの集計によると、フランスの軟質小麦の収穫量は今年に3500万トン弱にとどまる見込み。6月初頭の時点では3800万トン近くと、歴代4位以内の高い収穫量になると予想されていたが、一転して平年並みに満たない水準に落ち込む見通しとなった。6月以降の気候不順が打撃となった。量だけでなく、質の点でも優れず、特にこの夏の冷夏で、麦粒が十分に育たなかったことが響いた。輸出に回せる収穫分の量が減り、これが価格の高騰を招いている。ユーロネクスト市場における製粉用小麦の価格は、2021年12月渡しで1トン250ユーロ近くと、1年前から35%上昇し、過去8年で最高の水準に達した。主要な輸出国であるロシアとカナダで干ばつの影響から収穫量がごく低くなっていることも、国際価格を押し上げている。ただし、品質低下の影響が、生産者の収入を押し下げる要因になる恐れがあるという。
パスタやセモリナ粉の原料となる硬質小麦の国際価格も1ヵ月間で30%の高騰を記録している。フランスにおける生産量はわずか(年間180万トン程度)であり、価格上昇の影響はフランスの生産者には大きくない。逆に、食品メーカーにとっては、製造コストの増大を招くことになり、製品価格の上昇に直結する可能性もある。農民団体FNSEAは、硬質小麦の価格が10%上昇しても、パスタの小売価格を1kg当たり4ユーロセント押し上げるのみだとして、消費者への影響は小さいと説明している。