産業施設の認可手続き、簡素化の政令が公示に

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政府はこのほど、産業施設の認可手続きの簡素化に関する政令を官報にて公示した。公聴会やアセスメントの手続きが簡素化され、プロジェクト実現までの時間の短縮が期待できる。
公示されたのは、行政手続きの加速と簡素化に関する法律(ASAP法)の施行政令。産業施設の手続き簡素化の措置は、内外の企業経営者を集めてマクロン大統領が毎年開いている投資誘致会合「チューズ・フランス」の機会を利用して、2020年1月に予告されていた。
政令は、公聴会実施が免除される施設のリストを定めている。環境関連の許認可を取得するより前の時点で、一定の条件下において工事を開始することも可能になる。また、環境上のリスクの高い産業施設「ICPE」の指定対象のプロジェクトについては、遡及的な規制の適用が除外され、申請時点から認可取得までの間に制定された新規制への適合化は必要なくなる。また、手続きの簡素化を目的に、環境アセスメントの手続きは一括化して行われ、当局機関ごとに調査をやり直す必要がなくなる。さらに、欧州連合(EU)の資金協力が伴うプロジェクトについては、独立行政機関CNDPによる審査手続きが免除される。環境保護団体などは、環境保護が後退するのが確実だとして、改正に反対している。