アルザス自治体、重量車両のロードプライシング導入を決定

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アルザス欧州自治体(CEA)議会は21日、3.5トン以上の重量車両を対象とするロードプライシング導入を決めた。2027年より導入し、1km当たりで15ユーロセントを課税する。高速道路のA35及びA36と、2本の幹線道路の走行に係り課税する。
アルザス欧州自治体(CEA)は、アルザス地方の2県(バラン、オーラン)がそれぞれの県議会を統合する形で発足した。地域圏統合により消滅したアルザス地域圏を蘇らせるという意味合いもあり、フランス国内では前例のない県議会統合が実現した。今回のロードプライシング導入は、隣接するドイツ国内で、重量車両のロードプライシングが導入済みであることを踏まえて決定。ドイツにおける課金はこの年頭以来で1km当たり34ユーロセントまで上昇しており、このため、ドイツを回避してフランス国内の通行を選択する車両が増えている。高速道路における交通量は2-3割増えたといい、適正化を図る目的で、ドイツと並行して南北を結ぶ経路にロードプライシングを導入することを決めた。
地元の経済界はこの導入に反発し、年間6400万ユーロの負担増が生じ、輸送部門で1500人の雇用が失われるなどと主張している。アルザス欧州自治体議会の側では、地方内の道路インフラの拡充を通じて徴収分を地元経済に還元すると約束。導入方式についても、あと1年間を費やして協議を進めると約束している。