ワインの国である(はずの)フランスで、若い人のワイン離れが進んでいるそうである。ビールを好む若者の割合がワインを好む若者の割合を超えた、という調査結果もある。全体的に気軽に飲める軽めのアルコール飲料の人気が高まっている模様。そういえば、ワインは美味しいものほど、妙にウンチクを傾けたりする人の講釈を拝聴しつつ飲まなければいけないことも多く、肩がこることがある。ビールは高級なものでも、ワインに比べれば値段もはるかに安いし、気取る必要も全くない。アルコール度数も低いので(ワイン並のものもあるけれど)、よほど飲み過ぎない限り二日酔いにもならない(人によるけれど)。夏の暑い時期には、特にワインよりビールが爽やかでうまい(ワインも冷やしてうまいものもあるけれど)。冬でも暖炉の そばでよく冷えたビールを飲むのは悪くないものだ。残念なのはビールにはプリン体が多く含まれているので、痛風持ちには禁物な点だ(それでも飲むツワモノもいるけれど)。元来ビールの国ではないフランスのビールは、昔は不味いもののほうが多かったが、いまはうまいクラフトビールなどもたくさんある。クローネンブルグの「1664」だって悪くはない。昔、ビール好きのフランス人女性と話をしたら「ワインと違って、女性がビールを飲むのは、やはりあまり世間体が良くないのよね」と嘆いていたが、いまはジェンダーフリー化のおかげで、そんな偏見も薄れただろう(ビール腹にはなってほしくないけれど)。筆者はワインも好きだが、ビール大好き人間なので(残念ながら痛風のせいでもう飲めないけれど)あらゆる機会に、皆でビールを飲み気持ちよくなってもらいたいものだと思う(自分はもう現役でないのが残念だけれど)。