ロシアのウクライナ侵攻から遂に1年が経過してしまった。当初は短期戦と見込んでいたはずの戦争を、米欧による制裁に耐えて1年も続けるロシアの基礎体力は、さすがといえばさすがだが、一体何のための戦争なのかという基本的な疑問への納得できる答えはいまだに得られないままだ。基礎体力といえば、米欧の支援を受けているとはいえ、ウクライナの抵抗力がいつまで持つのかも不確かだ。自国防衛戦を行う国民のメンタルは侵略者より強靭だとはいえ、戦線が膠着状態のままになってしまえば、ミサイル攻撃でインフラを破壊されたウクライナが先にへばるリスクがないとはいえない。ウクライナを早くNATOに加盟させていたら…などという後悔の声もちらほらと聞かれる中で(もっとも早期加盟を進めようとしても、ロシアによる侵攻が早まる結果に終わっただけかもしれない)、今年の春も暗い気分で迎えることになりそうだ。