カステックス前首相がRATP(パリ交通公団)のCEOに内定した。各紙が報じた。
カステックス前首相は57才。2020年7月に首相に就任し、マクロン大統領が再選を決めた今年の春に、ボルヌ首相に後を譲って退任した。高級官僚の出身で、プラド市(ピレネー・オリアンタル県)の市長を長年にわたり務めるなど、地方行政に精通しているが、企業経営の実績には乏しい。前首相は退任後、Afitf(輸送インフラ財源庁)の長官に就任したが、大方はこれを一時的なポストとみなして、前首相の去就に注目していた。
RATP(パリ交通公団)では、ギユアールCEOが個人的な理由で9月末日を以て退任し、政府が後任の人選を進めていた。カステックス前首相は、国鉄SNCFのCEO就任を望んでいたとされるが、SNCFのCEOは空席ではなく、RATPのトップ就任に話が落ち着いたという。報道によれば、昨週末にマクロン大統領とカステックス前首相が会談し、この人事が決まった。就任に当たっては、閣僚等の民間部門転出の是非を審査する独立機関HATVPによる承認が前提となり、19日に面談が行われる。カステックス氏が首相として下したRATP関係の裁定はいくつかあるものの、利益相反には当たらないとしてHATVPは承認を与える模様であるという。その後、上下院の承認を経て正式に任命の運びとなる。