上院は8日、公共放送部門の改革を提言する報告書を公表した。公共放送部門の4機関の統合を勧告した。
報告書は、財務委員会のカルチ委員長とユゴネ議員(いずれも保守野党の共和党所属)がまとめた。マクロン大統領は、大統領選挙キャンペーン中に、公共放送受信料を今秋の徴収分より廃止するとの公約を掲げたが、カルチ委員長は、重要な決定を選挙目当てで行うのはよくないとした上で、公共放送部門の財源確保の展望と絡めて、公共放送部門の改革が必要だと指摘した。
報告書は具体的に、フランス・テレビジョン、ラジオフランス、フランス・メディア・モンド(国際放送)、INA(資料映像の管理と映画・番組制作向けの公的援助の管理を担当)の4機関の統合を勧告。リソースを共同化して無駄を省き、経費節減を進めるべきだと勧告した。地方放送を担うフランス3(フランス・テレビジョン傘下)とラジオブルー(ラジオフランス傘下)の協力強化など、目下進められている取り組みの進展状況が遅いことを挙げて、踏み込んだ統合を進めるべきだとした。2025年にフランス・テレビジョンのエルノットCEOの任期が満了するのを節目として改革を進めることを提案。統合により10%程度の節減効果が期待できるとしたが、具体的な人員削減の規模は示さなかった。公共放送の財源としては、ドイツの制度に倣って独立機関を設置し、会計検査院の助けを借りて、必要な予算額を算定し、多年次のプランを立てて予算枠を決定する方式を提案した。このほか、20時以降の番組のスポンサーを排除し(7000万ユーロの収入逸失に相当)、視聴率優先の番組作りへの圧力を低めるべきだとも提言した。