最高裁、不当解雇時の賠償金上限を承認

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

最高裁は11日、不当解雇時の賠償金に関する訴訟で、原告側の訴えを退ける判決を下した。政府が2017年に定めた賠償金上限に関する法令上の規定について、その適法性を認めた。今回の判決は判例となり、この問題に関する法的不安定性が解消される。
2017年に施行された現行法令は、不当解雇時の賠償金を、勤続年数に応じて給与1ヵ月分より20ヵ月分と定めている。それ以前は、最低額が6ヵ月分で、上限はなかった。この措置は、特に勤続年数が少ない就労者にとって不利な内容で、労組などから強い批判を受けており、施行後には個々の事案を通じて法廷闘争が相次いでいた。裁判所が、法令上限を超える賠償金を認めるケースもあり、解釈が確定していなかった。
最高裁は2019年7月の時点で、すべての裁判官を集めた総会の形で、法令上限の妥当性を認める判断を下していたが、これは一般的な法解釈を定める判断で、具体的な案件に関する判決ではないことから、拘束力の点で万全ではなかった。最高裁は今回、2件の控訴審判決について、これを棄却する形で判例を定めた。最高裁は判決の中で、「不当解雇の場合、裁判官は適正な賠償金の支払いを命じることができる」と定めたILOの第158号決議第10条にこの上限設定が違反していることはなく、裁判官には個別の案件について上限設定に従わないことは認められないとの判断を下した。