Deezer、SPACを通して上場

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仏音楽ストリーミング配信Deezerは、今後の成長を目指し、特別買収目的会社(SPAC)のI2PO(上場済み)により吸収されることを通して、上場する。I2PCは、レジャー産業への投資を目的に2021年に2億7500万ユーロを調達していた。
今回の取引に際するDeezerの評価額は10億ユーロ強。具体的には、I2PCは、現Deezer吸収後は、Deezerへと社名を変更する。また、新会社は、I2PCが既に調達した額に加え、現Deezerの株主(ユニバーサル・ミュージック、ソニー、ワーナー・ミュージックなど)や他の出資者が応じる私募により少なくとも1億2000万ユーロを受け取る。現Deezerは、従って、最大で4億2500万ユーロの資金の注入を受ける。
2021年末時点でのDeezerの有料ユーザー数は960万人で、2019年末時点と比較して約80万人増加したが、調査会社MIDiAリサーチによると、新型コロナ危機を受けて、スウェーデンのSpotifyや米アップル、アマゾンなどの音楽ストリーミング配信サービスは急激な加入者増を達成しており、Deezerには出遅れ感がある。しかしながら、Deezerは、仏通信オレンジとの提携により、仏市場ではかなりのシェアを維持している外、ブラジルでも、テレコム・イタリアのブラジル子会社との提携により、強いポジションを占めている。