InVivoリテール、SPACにより買収:「社会的責任消費のテスラ」目指す

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著名実業家らが設立したSPAC(特別買収目的会社)の2MX Organicが買収案件を決定した。大手の農業協同組合InVivoの子会社であるInVivoリテールを買収する。「社会的責任消費のテスラ」を自任する食品小売業の発展を目指す。
InVivoリテールは、ガーデニング・ペットショップ(ガムベール、ジャルディランド、デルバール、ノア)に加えて、地産地消・オーガニックの専門店(フレディシ、ビオ&Co)を展開。国内に1600店(うち220店が直営)を展開し、年商は25億ユーロ(連結分は14億ユーロ)に上る。
2MX Organicは、著名実業家のグザビエ・ニエル氏とマチュー・ピガス氏が、モエアレクサンドル・ズアリ氏(冷食大手ピカールなど展開)と組んで設立したSPAC。今回の買収では、株式交換を経てInVivoが2MX Organicの60%株式を取得し、InVivoのブランディニエールCEOが2MX Organicの会長に就任、ズアリ氏がCEOに就任し、InVivoリテールのダラスCEOは留任する。2MX Organicが調達した3億ユーロの資金はそのまま残り、今後の企業買収による成長戦略を支える。新生InVivoリテールは、ガーデニングの大型店舗を核にして、食品小売の出店を強化する方針で、3年以内に150店舗の開店を予定。農業生産者からの出資を受け入れる形でパートナー契約を結び、地産地消をアピールしたビジネスモデルの構築を目指す。2MX Organicは一時はこの分野で成長株の「グランフレ(Grand Frais)」の買収を計画したが、価格面で折り合いがつかず、今回、InVivoリテールの買収を決めた。グランフレと正面から競合することになる。