オンライン賭博の広告規制、当局機関ANJが勧告

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賭博部門の監督機関ANJは23日、賭博の広告規制に関する指針と勧告を公表した。業界団体などと半年ほど協議を経た上で策定した。9月1日付で施行し、11月21日に開幕するサッカーW杯に間に合うようにする。
昨年夏のサッカー欧州杯の機会には、テレビなどでオンライン賭博の広告が氾濫した。賭博が法律で禁じられている未成年者の利用も目立って増えていることから、ANJは、法律による規制導入を避ける最後の手段として、自主規制の指針をまとめた。
具体的には、▽テレビ及びラジオにおける広告について、ひとつながりで放送される広告枠のうちで賭博は広告主を問わず3つまでとする(現在は4つまで)、▽オンライン広告は媒体1つにつき3広告を上限とする、ことなどを勧告。インフルエンサー・アンバサダーについては、未成年者であってはならず、得意とする媒体において、13-17才におけるオーディエンスが16%を超える人物を起用してはならない旨を定めた。未成年者の保護や依存症対策等についても規制が設けられる。
2021年夏に開催されたサッカー欧州選手権の期間中には、デジタル媒体以外でも1億3300万ユーロの広告投資がなされた(カンター調べ)。デジタルは業界の広告投資の43%を占めていると推計されている。ANJの協力を得て行われた調査では、未成年者の賭博は法律で禁止されているにもかかわらず、15-17才の34.8%が、2021年5-6月までの12ヵ月間に賭け事をしたと答えており、この割合は、2014年の前回調査時から1.9ポイント増加している。