極右政党RNから右翼の論客エリック・ゼムール大統領候補に合流する有力者が出ている件で、28日にはRNのマリーヌ・ルペン候補の姪に当たるマリオン・マレシャル氏が、ゼムール候補支持を表明する可能性を示唆した。マレシャル氏は、複数のマスコミとのインタビューの中で、政策面で親和性があるのはゼムール氏だが、自分には家族の問題もあると述べて、正式な合流には迷いがあることを暗に認めた。マリーヌ・ルペン候補はこの件で28日中にテレビインタビューに答え、マリオン・マレシャル氏は子供の頃から成長を見守ってきた人物であり、その言葉にはひどく傷ついた、と言明。個人的な心情を吐露し、弱みを見せることで、判官びいきの有権者の支持を確保することを狙った発言とも考えられる。
離反の動きはマレシャル氏にはとどまらず、マリーヌ・ルペン候補は29日には、訪問先のスペインで、「去りたい者がいれば今すぐに去ることだ。選挙を前にして不誠実な態度を続けるのは有権者に対する裏切り行為だ」と厳しい調子で言明した。同候補はこれを一般論として語り、名指しはしなかったが、スペイン訪問にも同行したニコラ・ベイ欧州議員を念頭に置いた発言と考えられる。同議員は、ゼムール候補への合流を噂されており、記者団に真意を問われた際にも、合流を明確に否定していなかった。
世論調査では、第1回投票におけるマクロン大統領の支持率が24%程度と、下降気味ではあるものの、2位以下に大きな差をつけている。2位の座は共和党のペクレス候補とRNのマリーヌ・ルペン候補が争っている。両候補とも支持率は17%程度だが、ペクレス候補がやや後退、ルペン候補が支持をわずかに伸ばす展開となっている。4位はゼムール候補で13%程度だが、このところ追い上げを見せているとする世論調査もある。