右翼の論客として大統領選挙に立候補したエリック・ゼムール氏は22日、南仏カンヌ市で集会を開いた。4000人が集まった。
ゼムール氏の陣営にはこのところ、極右RNからの合流者が相次いでいる。リビエール欧州議員が数日前に合流し、ゼムール氏が設立した政党「失地回復(ルコンケット)」の副党首に就任したのに続いて、2021年に解散処分を受けた極右団体「ジェネラシオン・イダンティテール」のリュー報道官も合流。同氏は、RN所属のオリビエ欧州議員の秘書を務めていたが、これを辞してゼムール氏に合流した。さらに22日には、著名弁護士としてRNに入党していたコラール欧州議員もゼムール氏支持を表明した。
ゼムール氏の支持率はこのところ12%弱で頭打ちとなっており、決選投票への進出権は、ゼムール氏を3.5ポイントほどリードする極右RNのマリーヌ・ルペン候補と保守野党「共和党」のペクレス候補の間で争われる構図となっている。ゼムール氏の支持勢力は、世論調査はあてにならず、RNなどからの合流は今後もさらに拡大するとの強気の構えを見せている。RNの側では、離脱した者たちにはいずれも党内の影響力はほとんどないとして、被害はないと説明している。
目先の大統領選の結果はともあれ、ゼムール氏はその後の右翼勢力の糾合を目論んでおり、共和党とRNを切り崩して一大勢力のトップになることを目指しているとの見方もある。