新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否する姿勢をとってきたテニスプレイヤーのジョコビッチがオーストラリアへの入国を拒否され、全豪オープンを欠場するはめになった。4大大会中でジョコビッチが最も強みを発揮してきたのが全豪オープンなだけに、4大大会優勝数で過去最高記録の更新を狙う彼自身には手痛いだろう。おまけに、このままだと全仏オープンにも参加できない見通しが強まった。トップアスリートの身体と健康は普通の人間のそれとは違うので、ワクチン接種を受けたくない特別な理由があるのかも知れないが、キャリアを犠牲にしてまで接種を拒否する姿勢には疑問を感じる。もっとも、ファンとしては、例えば「全豪の優勝者には特別に接種を免除」のような特典(これなら、対象はジョコビッチだけに限定されない)があってもいい、という気もするのだが、知人・友人と議論した限りでは、「そんな特別扱いが許されるべきではない」との意見が圧倒的。報道を見ても、世論の反応はジョコビッチに圧倒的に不利な情勢だ。ジョコビッチはすでにテニス史でも最高峰といってよいキャリアを築いているが、今年もグランドスラ ムへの挑戦が期待されていた。ワクチン問題でこのまま引退というような事態になったなら、やはり残念だ。コロナが登場したのも、感染が世界に拡大したのも、別に彼の責任ではないのだから、まことに罪作りな話である。