仏鉄道機器大手アルストムは9月11日、英国の地方鉄道会社TransPennine Express(TPE)より、総額12億ユーロの契約を獲得したと発表した。バッテリーを搭載したEMU(電車)を29本供給し、長期保守も担当する。
EMUは5両編成で、アルストムの「Adessia Stream」をベースとする。設計と製造はアルストムの英国拠点で行われ、2032年の引き渡し開始を予定する。英国における数千人の雇用の貢献するという。
列車本体が9億3000万ユーロ程度で、保守契約が2億3000万ユーロ程度という。報道によると、オプションが行使されるとアルストムは最大で55本の列車を供給することになるという。製造は、ボンバルディア・トランスポートの買収を経てアルストムが2021年に取得した英ダービー工場で行われる。
TransPennine Express(TPE)は、イングランド北部を結ぶ路線を運行しており、スコットランドにも乗り入れている。電化の採算性を確保できない路線について、就役中のDMU(気動車)を順次更新する形で、温室効果ガスの削減を達成する狙いがある。英国でバッテリー搭載のEMUが本格的に導入されるのはこれが初めてとなる。
供給される列車は全長121メートル、長距離路線での運用に対応した仕様となる。最高時速は177km、1編成で300人程度の乗客を輸送できる。リバプール、マンチェスター、ヨーク、ハル、スカボロー、ソルトバーン等イングランド北部の主要都市を結ぶ路線に投入される予定。充電施設もアルストムにより、ハル、スカボロー、ソルトバーンの3ヵ所に整備される。保守契約は当初期間を8年間とし、8件期限で更新が可能。100人強の雇用の維持に貢献する。