2030年五輪組織委のグロスピロン会長が辞任、内部対立を収拾できず

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト、欧州レポート

2030年冬季五輪組織委員会のグロスピロン会長が9月10日に辞任した。会長は同日に開かれた執行部会合には出席せず、組織委はそのまま会長の辞任を決定した。14日に開く臨時総会で会長辞任の正式承認がなされ、新たな会長人事を決めるまでの間の暫定体制について合意がなされる予定。
2030年冬季五輪は仏アルプス山脈地方で開催される。グロスピロン会長は57歳、フリースタイルスキーのモーグルで五輪金メダルを獲得した実績があり、バイアスロンで活躍したフルカド氏が委員長就任を断念したのを受けて、2025年2月に会長に就任した。ただ、ガバナンス面ではご難続きで、会長と対立した幹部の辞任が相次ぎ、去る2月にはリネット理事長の辞任を経て、運営は危機的な状況に陥った。政府も関与して改善のための監査報告も実施され、4月には臨時理事長に就任したカドー氏の下で立て直しが進められた。グロスピロン会長との関係は波乱含みだったものの、国営電力大手EDFを大会スポンサーに迎える(7月2日)など成果が上がっていた。ただ、グロスピロン会長が7月下旬に、側近2名を幹部に起用することを提案したことで、強引で一方的な組織委運営のあり方への批判が改めて噴出した。それまでは会長を担いでいたプロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏のミュズリエ議長も支持を取り下げ、会長の辞任は必至となっていた。9月8日に予定されていた新たな主要スポンサーとの契約調印式は直前になり延期され、会長の辞任に至った。会長は現在、国との間で、辞任の条件を巡り協議中であるという。