人口減とデフレ

投稿日: カテゴリー: 大熊猫集団の井戸端会議

長らくデフレが続いてきた日本でも、ウクライナ戦争やイランでの戦争の影響などにより、物価は過去5年で約12%上昇した。また、2026年にも上昇が続いているようだ。しかし、筆者は、これらの外的要因を除外すれば、日本は依然としてデフレ傾向にあると考えている。その理由は単純で、人口減だ。物価は、人為的な介入がないか、市場に特殊な要因がなければ、基本的には需要と供給の間の関係により決まるが、人口減が続く日本では、今後需要が大きく伸びることは考えにくい。人の一生の間の最大の消費機会はおそらく家を建てることだろうが、人が減っているのだから、新築住宅への需要や建て替え需要は縮小する。また、これまでは建て替えていたケースでも、リフォームで済ますケースも出てこよう。結婚式などその他の人生の節目になるイベントでの消費も減少するだろう。教育関連の需要も減少する。このような需要減は、その帰結としてデフレをもたらす。人口減による労働力不足は物価上昇の要因となり得るが、それは、経済が後退する中でのインフレといういわゆるスタグフレーションをもたらしかねない。労働力不足は、ロボットやAIの導入により対処できるかもしれないが、ロボットは家を建てないし、結婚もしない。人をロボットで置き換えても、供給面での改善には資するだろうが、ロボット関連産業以外では需要は創出されず、むしろ後退する可能性さえあるのだ。人口減に歯止めをかけるため、日本政府は少子化対策を打ち出しているが、効果があるとしても、それが現れるのは20年後、ひいては50年後という非常に長期的なものとなろう。こう考えると、日本では今後も長くデフレ傾向が続くという見方には、かなりの根拠があるように思われる。