最近のトランプ大統領を見ていると、米大リーグ・ヤンキース元オーナーだった故ジョージ・スタインブレナー氏に被って見える。スタインブレナー氏は、当時ヤンキースに在籍していた伊良部秀輝選手のことを「太ったヒキガエル」と形容し、騒動を引き起こしたのに加え、後には、同じくヤンキースに在籍しており、前年のワールドシリーズでMVPに輝いた松井秀喜選手を、松井選手自身は残留を望んでいたのにもかかわらず、放出するという判断を下した。その後近年になって、ヤンキースは、大リーグ入りした大谷翔平選手や山本由伸選手の獲得に失敗した。もちろん、獲得失敗はそれだけが理由ではあるまいが、伊良部選手や松井選手への仕打ちが大谷選手や山本選手に嫌われたというのが理由の一つになったとの説もある。もちろん、大谷選手や山本選手の獲得に失敗したからと言って、球団経営が失敗だと断じることはできないが。一方、トランプ大統領と言えば、カナダを、米国の州の一つだと言い張り、同国首相を「知事」と呼んでいる。また、グリーンランド併合を示唆しては、欧州同盟国の反発を買った上、同盟国に対する一方的な関税導入を表明するなど、同盟国との関係が冷え切った。これが、今回のイラン攻撃に際しての同盟国の冷たい反応につながった可能性は否定できない。もちろんイランによる核兵器開発を歓迎する米国の同盟国はなかろうが、同盟国の中には、今回のイラン攻撃は、ベネズエラでの作戦成功に浮かれたトランプ大統領がイスラエルに乗せられただけのものという醒めた見方があるのは否めない。これでは、笛吹けど踊らずになってしまうのは、ある意味仕方がないのではなかろうか。
トランプ大統領とヤンキースに共通しているのは、目先の利益を最優先している(あるいは、した)ことだろう。スポーツならば、それで勝ちさえすればよいという考え方もあるだろう。国際関係でも、目先の利害に基づいた関係というのは当然あろう。しかし、それは脆い。米国が他を圧倒する力を持っているのなら、目先の利益を最優先してもどうにかなろうが、長期的に見ると、トランプ大統領が最大のライバルと見做しているだろう中国にそれで対抗できるのだろうか。