英国のチャールズ国王は6月25日、王室を通じて自らの納税額を公表した。個人所得から3000万ポンド強を2022年9月の即位以来で納付した。
チャールズ国王は、皇太子時代にも個人所得に由来する納税額を公表していた。この6月初頭には、故エプスタイン氏との交友関係で王子の称号の返上に追い込まれたアンドルー元王子が、王室の不動産を家賃なしに占有し、さらに物件を転貸して利益を得ていたことが明らかになり、王室への批判の声が高まっていた。チャールズ国王は、透明度の向上と信頼回復を目的に、初めて国王の納税額等を開示することを決めた。
英国では、王族には個人所得からの納税義務はないが、1993年以来、王族は納税を行っている。今回の発表によると、チャールズ国王は即位以来で合計3000万ポンド強を納税。国王の個人所得は、ランカスター私有領からの収益(農地の貸与、不動産運用等)に由来している。2024年度(2025年3月期)にこの収入は2680万ポンドに上ったといい、同年度の納税額は1290万ポンドとなった。個人所得には入らない「ソブリン・グラント」と呼ばれる公費支給金は2025年度(2026年3月期)に1億3200万ポンド、2026年度には、バッキンガム宮殿の改修費もあり、1億3790万ポンドに上る予定。なお、この支給金は、王室保有の不動産を束ねる「クラウン・エステート」の利益の一部から捻出されるが、同利益は2026年度には12億ポンドとなり、前年度の14億ポンドから後退した。洋上風力発電所からのリース収入の後退が原因であるという。
ウィリアム皇太子の納税額も、2022年9月以来で2000万ポンド強と発表された。皇太子も、コーンウォール私有領からの収益が個人収入となっている。なお、バッキンガム宮殿の高額の改修費用には批判の声もあるが、王室は、チャールズ国王夫妻は改修後にバッキンガム宮殿には居住せず、王室の祝典等の利用のほかに、一般公開を拡大すると説明している。