仏パリのドゥルオー競売場で6月11日、恐竜ティラノサウルス由来の皮革素材で製作されたバッグがオークションに出品された。提示価格が見積価格を大幅に下回ったことで、入札は不調に終わった。オークションハウスのジケロは開始価格を10万ユーロに設定したが、入札は15万ユーロにとどまり、見積価格の30万ユーロに届かなかった。
今回出品されたバッグは、米国モンタナ州で約25年前に発見されたティラノサウルスの化石を利用したもの。大腿骨に残っていたコラーゲンの断片をバイオ技術で培養することにより、研究室内でティラノサウルスの本物の皮膚を復元したという。
ただし、この主張には疑問符も付く。米国ノースカロライナ州立大学の古生物学者シュワツァー氏は、コラーゲンはほとんどの動物に共通する一般的な分子であるため、復元された皮膚がティラノサウルスのものだという確証はないと述べている。競売人のジケロ氏は、価格設定に関して前例がないことから、投資費用と稀少性を反映したと説明していた。
なお、ドゥルオー競売場はプレスリリースで、今回のバッグについて、動物の飼育を介さず皮革を製作することに成功した技術的快挙だと強調。動物からの採取や集約畜産に頼らない高級品として、新しい道を切り開くと述べた。