仏ARCOM(放送行政監督機関)は6月11日、国営ラジオ・フランスに対して、政治家の発言時間規制が遵守されていないと指摘し、改善を求める催告を行った。極右政党RNへの発言時間の割り当てに落ち度があったと認定した。
発言時間規制は、政治的思潮のダイバーシティを擁護する目的で1980年代に導入されたもので、現行制度においては、政府関係者に全体の3分の1が振り向けられ、残りの3分の2が、所属議員の比率などに基づいて、各政治勢力に配分されることになっている。政治的発言時間をカウントし、適正な配分が確保されているかどうかを監視する役割をARCOMが負っている。
ARCOMは今回の催告において、ラジオ・フランス傘下の2局(総合局のフランス・アンテールとニュース専門局のフランス・アンフォ)において、1-3月期にRNが得た発言時間数が不当に少ないとの判断を示した。具体的には、RNに与えられた発言時間が、0時から5時59分の間という深夜・早朝の時間帯に偏っており(フランス・アンフォの場合は、RNの総発言時間数の7割強がこの時間帯)、6時から23時59分までの時間帯に限ると、RNの発言時間の全体に占める比率は9-9.5%と、RNの下院における議員比率などを鑑みると著しく低かった。
ラジオ・フランスの側では、自社が導入している発言時間カウントの装置を年頭に修正し、その不具合によるミスであり、既に修正を施したと弁明している。ARCOMは、2025年10月と2026年2月にもこの問題でラジオ・フランスに通知を行ったと説明しており、催告という厳しい措置の実施に踏み切った。催告を経て修正がなされない場合には、ARCOMは罰金処分を決めることができる。
今回の催告は、極右勢力が公共放送部門を厳しくバッシングする中で行われた。右翼系の実業家バンサン・ボロレ氏は、傘下のメディアを通じて、熱心に公共放送の攻撃を展開しており、極右勢力の援護射撃にも余念がない。RNは特に、公共放送の廃止と民営化を要求して声を荒げており、今回の催告は格好の攻撃材料にもなる。