政府は5月28日、社会保障会計の収支予測を、同会計を共同運営する労使代表に提示した。2026年に同会計の赤字総額が204億ユーロになると予想。当初予想の194億ユーロを上方修正した。
社会保障会計の赤字額は2025年には216億ユーロに上り、前年の153億ユーロから大きく増加していた。政府は2026年には赤字削減を達成することを目指しているが、中東紛争の影響を織り込んで、目標よりも赤字が膨張する見込みとなったことを認めた。
政府はインフレ率の上昇に伴い、規定に従って法定最低賃金(SMIC)を6月1日付で2.41%引き上げる。予測はこれの影響を考慮の上で策定された。政府は同時に、一定以下の水準の賃金を対象にした社会保険料の減免措置については、SMIC引き上げに連動した改定をせず、凍結することを決めた。この効果で22億ユーロの保険料収入が確保できると試算されている。上記の年間赤字204億ユーロという数字には、この22億ユーロの収入確保の効果が合算されている。この効果を除外すると、収支の悪化はさらに顕著になる。
社会保障会計を構成する各金庫の収支予測(上記の22億ユーロの収入確保の効果を除外した数字)をみると、いずれの金庫も赤字になる見込みとなっており、状況が全般的に厳しくなっている。赤字額は、健保で138億ユーロと最も大きい。人口高齢化に伴い、医療支出が増大しているのに加えて、公共医療部門の職員の賃上げの影響も出ている。年金は76億ユーロの赤字となる見込みで、昨年に決まった年金改革の適用中断も収支改善の点ではマイナスになる。家族手当公庫は5億ユーロ、介護保険は4億ユーロの赤字となり、これらはいずれも前年には黒字だったが、わずかながら赤字に転じる。労災は10億ユーロの赤字となる。