政府は5月27日、子どもの社会扶助に関する法案を公表した。学校を舞台にした性犯罪の被害を子どもたちが受けている事案が多く報告され、社会問題となっていることを踏まえて、子どもの保護を法案の目的に追加した上で、法案を閣議決定した。
学校を舞台にした性犯罪では、特に、課外活動を担当する係員による犯罪が多く取り沙汰されており、これまでは見過ごされてきた被害の規模が実際にはかなり大きかったことが明らかになっている。特に、パリ市の公立施設における一連の事件が注目されており、先の選挙を経て就任したグレゴワール市長は、疑いのある者を排除し、対策を徹底すると約束していた。政府もこれに呼応して、法令の制定により対策を推進する意志を明確にした。
教員については、採用に当たり証明書(無犯罪証明と、性犯罪及びテロ関連犯罪の当局リスト非掲載)の確認がなされているが、法案は、この検査を課外活動の係員など、広義での教育施設の関係者(公立・私立とも)にも実施する旨を定めている。また、データの随時更新を行い、問題のある者を迅速かつ網羅的に排除する体制を整える。特に、有罪判決には至っていないが、未成年者に対して不適切な行動をとった者を記載する「ブラックリスト」を構築し、記載された者が、場所を変えてほかの施設に採用されるような状況を完全に排除できるようにする。また、教育省だけでなく、スポーツ省などもブラックリストを構築し、スポーツクラブなどで問題を起こした者が、抜け道を通って教育施設に戻ってくるような状況が起こらないよう、リストの相互参照を当局間で行うようにする。政府は、教育機関を聖域として、安心して子どもを預けられる場所にすると説明している。