仏訳されるマンガの質が高い理由

投稿日: カテゴリー: 大熊猫集団の井戸端会議

筆者はサブカル・オタクみたいな人間なので、フランスで翻訳・出版される日本のマンガを沢山読んでいるのだが、こちらで成功するかどうかにかかわらず、こちらで出版されるマンガはそれなりに質が高いと思う。なぜなのかちょっと考えてみたのだが、簡単なことだと気付いた。要するに、こちらの出版社は、日本ですでにある程度成功を収めている作品ばかり出版しているからだ。こちらで出版される作品は、すでに日本での熾烈な競争を勝ち抜いた作品ばかりであるだけでなく、こちらの出版社の目に留まる必要があるのだから、それなりの質は担保されているわけだ。日本で売れなかった作品はこちらでは日の目を見ることさえ難しい。ただし、日本ではそれほど知られていなくても、こちらでは結構知名度の高い漫画家はいるもので、伊藤潤二氏や、谷口ジロー氏がそれに当たるだろうか。
マンガの話ではないが、日本は翻訳大国なので、なんでこれがと思われるようなマイナーな作品も和訳されている感もあるのだが、それでも和訳された作品は、本国ではそれなりに評価されたものが大半であろう。安心して読めるというものだ。ただし、翻訳の質の問題はある。筆者が学生時代の話だが、あるフランス人批評家のテキストが試験に出るというので、某有名出版社から出た某有名教授の翻訳を参照したところ、筆者が難しいと思った箇所がなんとすべて省かれていた。それでも日本語としては通るようにしてあるのだが、実はほとんど意味を為さないもので、逆にたちが悪い。同じ試験を受けた友人と、ある意味すごいと話し合ったものだ。おそらく教授本人ではなく、学生たちにアルバイトでもさせたのだろうが、おいおいそれでいいのかねと思ったものである。