仏ベンチャー企業Chemdoc Water Technologiesが工業用水フィルターのリサイクルに取り組んでいる。ADEME(仏環境・省エネ庁)が水処理分野で行ったプロジェクト募集「Innov Eau」に応募した「NanoSelect Next Step」が採用された。
このプロジェクトは2025年末に開始され、期間は60ヵ月。INSA(国立応用科学研究所)トゥールーズとモンペリエ大学が協力し、総勢30人のチームが技術開発に取り組んでいる。510万ユーロの予算総額のうち310万ユーロを援助により賄う。
世界では年間に400万-500万本程度の工業用水フィルターが廃棄処分となっている。リサイクルルートが確立しておらず、廃棄する以外の方法が今のところないという。製薬、化粧品、マイクロエレクトロニクス、食品加工、飲料水生産など、要求度の高い製品の場合、同じ用途での再生は困難だが、より要求度の低い再生水の分野で再利用するための手法の開発に取り組む。意図的にフィルターにわずかな損壊を加えて、ろ過力を調整し、再生フィルターとして装置に組み入れる。除菌手段の開発も並行して行う。工業用の携帯可能な実証モジュールを製作し、商用化の準備を進める計画。実用化を通じて、2034年の時点で3200万立方メートルの取水を回避することを目指す。
Chemdoc Water Technologiesはこのプロジェクトのために2030年までに1000万ユーロを投資し、5000平方メートルの工場を建設し、80人を採用する計画。同社は2019年より再生水処理技術「Nanoselect」を開発しており、こちらは新品のフィルターを利用、モンペリエ市における緑地散水などに採用されている。同社は2025年に550万ユーロの売上高を達成(前年比25%増)。ペレス社長が過半数株主で、EDF Pulse Ventures、Blue Forward Fundなどから出資を得ている。