ユーロ圏のインフレ率、3月に2.5%へ急加速:エネルギー価格高騰の影響

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欧州連合(EU)の統計局が3月31日に公表した速報値によると、ユーロ圏の3月のインフレ率は前年同月比で2.5%となった。2月から0.6ポイント上昇し、2025年1月以来の高い水準となった。中東紛争に関連したエネルギー価格高騰が影響した。ただし、ブルームバーグとファクトセットによる事前の予測(それぞれ2.6%と2.7%)よりは低かった。
エネルギー価格の上昇率は、2月のマイナス3.1%から3月は4.9%へと大幅なプラスに転じた。他方、エネルギーと食品・アルコール・タバコを除いたコアインフレ率は2月から0.1ポイント低下して2.3%となっており、エネルギー価格高騰がまだ他の部門には波及していないことを示している。実際、サービス、工業製品、食品のいずれも2月に比べてインフレ率が若干低下している。
しかし、各国政府は中東紛争が経済に与える影響を注視。欧州委員会のドンブロウスキス委員(経済担当)は27日、中東紛争の期間次第で、EUの成長率が0.4-0.6ポイント押し下げられる可能性があるとの見方を示していた。エコノミストの間では、欧州中銀(ECB)による利上げの可能性も議論されている。ECBのラガルド総裁は25日、エネルギー価格ショックの「規模や持続性、その波及について十分な情報が得られるまでは」行動を起こさないとしつつ、ECBはインフレ率を2%に戻す上で「段階的な一連の選択肢」を有していると述べた。
フランスでは、3月31日発表のINSEE速報によると、3月のインフレ率が前年同月比1.7%となり、2月の0.9%から0.8ポイントと大幅に上昇。2024年8月以来の高い水準となった。中東紛争の影響で、エネルギー価格の上昇率が2月のマイナス2.9%から3月は7.3%へと大幅なプラスに転じたことが要因。INSEEは、インフレ率が「春の間に」2%を突破する可能性があると見ている。サービス価格の上昇率は1.7%と前月から0.1ポイントの加速にとどまった。工業製品価格は0.6%下落し、前月よりも下落率が加速している。
ドイツでは、連邦統計局(Destatis)が3月30日に公表した速報値によると、3月のインフレ率がやはり中東紛争の影響で前年同月比2.7%と2月から0.8ポイント上昇し、2024年1月以来の高い水準を記録した。エネルギー価格の上昇率は7.2%に達し、2023年12月以来の高さとなった。ドイツは化石燃料輸入への依存度が高く、それが燃料価格の高騰につながっている。独議会は3月27日、ガソリンスタンドによる値上げを1日1回に制限する法案を採択。4月1日から施行される。変動の大きいエネルギーと食品を除いたコアインフレ率は2.5%で、2月から横ばいで推移している。
ポルトガルでも、統計局(INE)が3月31日に公表した速報値によると、3月のインフレ率はエネルギー価格高騰の影響で前年同月比2.7%となり、2月から0.6ポイント上昇した。エネルギー価格の上昇率は2月の2.2%から3月は5.8%へと跳ね上がった。ポルトガル中銀は25日、今年のインフレ率見通しを2.1%から2.8%へと上方修正していた。