仏SNCF、野生動物との接触を予防する装置を導入

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仏国鉄SNCFは、イノシシを中心とする野生動物が列車と衝突する問題を受け、ノルマンディー地方のルーアンとカーンを結ぶ路線の一部区間に撃退システム「Safe」を導入した。同システムは、列車が通過する数秒前に警告音と点滅光を発する。導入後は、イノシシとの接触がほぼ確実に回避できるようになったという。
Safeではまず、対象区域の線路沿いに設置された検知器が、接近する列車の速度を正確に測定。この情報をもとに、スピーカーと点滅光を備える警告装置が一定間隔で順番に作動し、野生動物を警戒させて退散させる仕組みとなっている。ソーラーパネルで駆動する。
衝突は、野生動物が補水や摂食を行う夜間に生じやすく、出没時刻とラッシュ時が重なる秋冬に増加する。電車の騒音低減や高速化に伴い、野生動物が列車を認識できないことも一因となっている。プロジェクト担当者のコシュパン氏は、5.5kmに及ぶ設置区域において、年間10件程度だったイノシシとの衝突が、Safe導入後に一度も発生しなくなったと説明した。
SNCFは、イノシシの頭数増加に伴い接触が頻発していることを受けて、2024年に予防計画を策定していた。フランスではイノシシに関連した一時停止が1日当たり平均14件起きており、ダイヤの遅れや経済的損失を招いている。2025年にはイノシシとの接触事案が1400件報告されており、前年比で27%増を記録していた。
Safeはほかに、ロワール地方のアンジェ・ルマン間の路線に2基、アルザス地方に1基が導入されている。設置費用は1基につき35万ユーロ。SNCFはシステムの量産化でコストを下げることができると見込んでおり、導入拡大に向けて地元自治体(地域圏)による経済的な支援を期待している。