ルーブル美術館のローランス・デカール館長が2月24日、マクロン大統領に辞表を提出した。大統領はこれを受理した。大統領は続いて、25日に後任としてクリストフ・ルリボー氏を指名した。
ルーブル美術館では4ヵ月前の10月19日に盗難事件があり、19世紀の帝政期の宝飾品など数点が盗まれた。事件は開館時間中に発生。外部のベランダがある窓を破って侵入し、逃走するという大胆な手口を予見し、防げなかったことは批判の対象となった。デカール館長は事件直後に辞表を提出したが、政府はその時には辞任を認めていなかった。その後、ルーブル美術館では建物の老朽化を原因とする事件(エジプト資料室の水漏れ事故など)が相次ぎ、職員組合によるストも頻発。さらに、盗難事件の原因究明の国会調査委の調査の機会等に、予算難では正当化されえない運営上の問題が指弾されるに及んで、館長への辞任圧力は高まっていた。館長は、ルーブル美術館のリニューアル計画「ヌーベル・ルネサンス」(予算11億ユーロ)に取り組む必要性を挙げて、辞任を拒否していたが、今回、計画を推進できる状況ではなくなったことを理由に、辞表を提出した。館長の任期は本来なら2026年末までだった。
後任に指名されたルリボー氏は62歳、現在はベルサイユ宮殿の館長を務めている。ルーブル美術館(2006-12年)を含む主要な美術館で責任者の職を歴任し、2021年には、ルーブル美術館の館長への就任が決まったデカール氏の後任として、オルセー美術館・オランジュリー美術館の館長に就任。2024年2月から現職にある。ルーブル美術館の館長として、セキュリティ向上と建物の改修をはじめとする差し当たりの重要課題に取り組むことになる。