人間の脳は、年を取るに連れて細胞を失うだけで、再生することはないと以前は信じられてきたが、1990年代辺りからの研究で、人間、それもかなり高齢の方でも、脳の一部では、細胞が新生することが分かってきた。しかし、その量は限定的なものであり、脳血栓が起こった場合の脳細胞の欠損を補えるようなものではない。また、シナプス(神経細胞間、あるいは筋繊維、神経細胞と他種細胞間に形成される、シグナル伝達などの神経活動に関わる接合部位とその構造)間の接合数は、年を取っても増えることも確認されている。筆者のような老い先短い(?)ものにとっては朗報である。
脳と言えば、自らはエネルギーを貯蔵することができない器官であることがポイントだ。つまり、脳には、常に血液により糖分と酸素が供給されている必要があり、運動したり、散歩したり、さらには入浴により血流を良くすることは、そのまま脳の活性化につながる。ギリシャの哲学者であるアリストテレスの弟子達(逍遥学派と呼ばれる)が散歩しながら議論したという故事は理由がないわけではないのだろう。そう言えば、アルキメデスも、アルキメデスの原理を発見した際には、入浴中だったとされている。
また、過度な分泌が脳に有害であるコルチゾール(ストレスがかかると分泌されるホルモン)の分泌は、睡眠により抑制されることが知られている。要するに、ちゃんと食事をして、十分寝なさいということだ。今は、日本は入試シーズン真っ最中だろう。受験生の皆さんは、追い込みも大事だろうが、ストレスなく十分眠って運動した方がいいのではないか。あまりに常識的な話になってしまったが、入試前になると、どうしても焦りが出てしまうものだ。親御さん達も長時間の勉強には適度にストップをかけてあげて頂きたい。