DNAの二重螺旋構造を発見したジェームズ・ワトソン氏が死去

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

DNAの二重螺旋構造を発見したジェームズ・ワトソン氏が6日に亡くなった。生物学や医学の発展に決定的
な貢献をもたらし、1962年に34歳の若さでノーベル賞を受賞した同氏だが、近年は人種差別発言などで批
判も浴びていた。共同研究者だったフランシス・クリックが、1970年代以後は神経科学の分野でも重要な先
駆的業績を残したと高く評価されているのと比べて、ワトソン氏の人生の後半は前半の輝きを曇らせるよう
な結果になったが、偉大な分子生物学者であったことは揺るがない。自伝『二重らせん(The Double Helix:
A Personal Account of the Discovery of the Structure of DNA)』(1968)は世界的な話題となり、日本でも
すぐに邦訳が出版された。毀誉褒貶はあるが名著といえよう。邦訳には、たしか分子生物学者の渡辺格が解
説を寄せており(半世紀以上前の記憶なので定かではないが)、科学研究の営為を研究者同士の熾烈な競争
として描くワトソン氏のアグレッシブなビジョンに違和感を示し、研究者同士の協力関係も重要だよとやん
わり批判していた。ワトソン氏の尖った人格はきっと当時から「危ないやつ」と警戒されていたのだろう。
好き嫌いはともかく、こういう面白い人物が世界から一人減ってしまったのは残念である。