パリのラスバイユ大通り(左岸)にあったカルティエ財団現代美術館がパレロワイヤル広場(右岸)に移転
し、旧館同様にジャン・ヌーベル氏が設計した新館が10月25日にオープンした。観光の新名所となることは
確実だが、この付近には言わずと知れたルーブル美術館のほか、ブルスドコメルス(ピノーコレクショ
ン)、パリ装飾芸術美術館など名だたる美術館がすでに集まっており、それらがリボリ通りで結ばれている
感がある。美術館ではないが、改修を経て美しい複合施設として再オープンした百貨店サマリテーヌなども
楽しい観光スポットとなっている。ちなみにカルティエ新館は必ずしも皆から歓迎されているわけではな
く、観光スポットばかり増えてしまうことで地区が「博物館化」することを懸念する声も強いという。しか
しパリ市全体が博物館化しつつあるなかで、今更何を…という気もする。旧館での展覧会は筆者も何度か見
学し、特にロン・ミュエク展などは今も忘れがたい素晴らしいものだったが、最近は現代アート展にありが
ちな「なんだこれ。。。金返せ!」的なつまらない展覧会もけっこうあった。新館での奮起を期待したい。