フランスのサルコジ元大統領がリビア不正資金事件で有罪判決を受け、控訴はするものの、収監される運び
となった。大統領経験者が汚職容疑などで実刑判決を受けた前例は、ラテンアメリカ、アジア、中東、アフ
リカなど(つまり民主主義が定着していない諸地域)では複数あるが、欧州では前例がないそうだ。ウクラ
イナのヤヌコビッチ元大統領が国家反逆罪による有罪判決を受けた例はあるが、ロシアに逃亡した後での不
在裁判でのことで、実際に収監されてはいない。西欧の民主国家においては未曾有の事態と言えるだろう。
なにかと型破りで自己顕示欲の強い派手な大統領だったサルコジ氏らしい顛末であり、汚名とはいえ、フラ
ンスの現代史に自らの名前をしっかりと刻んだことで、少なくとも自己顕示欲は満たされたのではないか。
相手が元大統領であっても、恐れずに不正を追求し、投獄することを躊躇しない司法制度の存在は、健全な
民主主義の証明でもあろうから、サルコジ氏は身を持ってフランスの民主主義が健在なことを世界に示した
とも考えられる。へたに罪状を否認せずに潔く刑に服して自らの功績とするほうが得策ではなかろうか?