パレスチナの国家承認

投稿日: カテゴリー: 大熊猫集団の井戸端会議

イスラエルがロシュ・ハシャナ(ユダヤ暦の新年祭)を祝う(今年は9月22-24日)中で、国連総会では22日
にフランスのマクロン大統領がパレスチナの国家承認を宣言した。欧州では英国やポルトガルやベルギーな
ども相次いで承認。これをイスラエルにとり皮肉なタイミングと反発する向きもあるが、「二国家解決」が
本当に平和をもたらす解決になるなら喜ばしいことで、むしろナイスタイミングといえるだろう。マクロン
大統領は、パレスチナ国家承認は「ハマスの敗北」を意味すると強調したが、実際にはハマスによるテロ襲
撃とそれに対するイスラエル政府の過剰な報復が承認につながったことは明白であり、その意味では「ハマ
スの勝利」にほかならない。イスラエル政府の主張どおり「ハマスへの報酬」だろう。イスラエルの軍事作
戦でガザ地区が徹底的に破壊されてもしぶとく生き延びているハマスの周到な罠にイスラエル政府がまんま
とひっかかって国際的な孤立を深めたという印象は拭えない。英国やフランスは、将来のパレスチナ国家に
おいてハマス抜きの統治体制を要求しているが、ヨルダン川西岸地区でもファタハが住民の信頼を失い、支
持率でハマスが上回っていると聞く。実際に選挙を行えば、名称はともかくハマスを継承する勢力が多数派
を占める可能性が強いだろう。こうした現実を「承認はハマスの敗北を意味する」というレトリックの力で
逆転させられると信じているあたりが、いかにも演劇好きのマクロン大統領らしいが、「自由」と言えば自
由が、「平等」と言えば平等が、「人権」と言えば人権が現実のものになるはずだ、という言葉の力への盲
信はフランス文化の特徴でもある。現実はもちろんこのような幻想を残酷に裏切るだろうが、(筆者の知り
合いにもパレスチナ難民支援に真剣に取り組んでいる方々がいるので)今はとりあえずパレスチナ支持派に
おめでとうと言っておこう。